自宅などの不動産を売却する際に、物件の買い手を見つけて売買契約を結ぶまでの一連のプロセスを「売却活動」といいます。具体的にどんなことを行うのか、どのような場面で売主が対応するのか、売却活動の大まかな流れを見ていきましょう。
売却活動の流れ
(1)不動産の販売戦略を立てる
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(2)不動産会社が購入希望者を探す
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(3)不動産会社から経過報告を受ける
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(4)内覧の準備と対応を行う
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(5)購入希望者からの条件を検討する
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(6)売買契約を締結する
(1)から(6)までのそれぞれのポイントは次の通りです。
(1)不動産の販売戦略を立てる
売却を依頼する不動産会社の担当者と話し合い、売りたい物件の売り出し価格や、売り出し方などの販売戦略を立てます。
売り出し価格は、査定結果をもとに、売主が希望する売却価格や物件の状況、周辺環境などを加味して決定します。また、「できるだけ早く売りたい」「時間がかかってもいいから希望する売却価格で売りたい」「ご近所に知られずに売却したい」といった要望や条件に応じて、売り出し方も変わってきます。
(2)不動産会社が購入希望者を探す
(1)で決まった販売戦略にもとづいて、不動産会社が不動産情報サイトや自社サイトに物件情報を掲載したり、新聞折り込みチラシや住宅情報誌、ポスティングチラシなどの広告媒体を利用したりして、購入希望者を探します。
購入希望者探しは、基本的に「不動産会社におまかせ」でOKですが、売却を依頼する不動産会社との媒介契約が「一般媒介契約」もしくは「専任媒介契約」の場合は、売主自身が購入希望者を見つけることもできます(※)。
※媒介契約の種類については「不動産売却の契約の種類。一般媒介・専任媒介・専属専任媒介とは」で詳しく説明しています。
(3)不動産会社から経過報告を受ける
売却活動中は、不動産会社の担当者から、売りたい物件の情報を掲載した広告媒体や、問い合わせ件数など、活動内容の定期的な報告があります。物件の状況をチェックすることで、今後とるべき対応(値引き交渉に応じる・応じないなど)も変わってきます。
(4)内覧の準備と対応を行う
「内覧」とは、購入を検討している人が実際にその物件を訪れて確認することです。売却活動が始まったら、いつ内覧希望の問い合わせが入ってもいいように、家の中の掃除や、不用品の処分を進めておきましょう。内覧をする人は複数の物件を見て回っているため、ゴチャゴチャと散らかっている家よりも、きれいに掃除された家のほうが、良い印象をアピールできます。
内覧当日には不動産会社の担当者が立ち合うため、売主が率先して物件の案内や説明を行う必要はありません。ですが、内覧をする人から住み心地や周辺環境などの質問があれば、気持ちよく対応して魅力を伝えましょう。
(5)購入希望者からの条件を検討する
内覧後に購入したいという希望者が現れたら、売買価格、引渡し時期、支払い条件などの交渉を行います。実際に買主とやりとりをするのは不動産会社の担当者ですが、売主と買主がお互いに納得のいく条件で契約できるようにしましょう。
(6)売買契約を締結する
条件交渉がまとまったら、いよいよ売買契約に進みます。契約当日は、重要事項説明書の読み合わせを行い、契約書への署名・捺印、手付金の受領を経て、売買契約が締結されます。
契約時の必要書類などについては不動産会社の担当者から事前に説明がありますが、不明な点があれば必ず質問をするようにして、万全の態勢で当日に臨みましょう。
あらかじめ流れを押さえておけば怖くない!
不動産売却は人生の中で何度も経験することではないため、「何をすればいいの?」と悩んでしまいがち。ですが、大まかな流れを押さえておけば、不安も軽減されますよ。分からないことがあれば、すぐに不動産会社の担当者に相談しましょう。