マイホーム購入のために銀行でローンを組むと、「団信(団体信用生命保険)」という保険に加入することになります。
団信とはどういう保険なのか、なぜ加入が必要か……など、ローンを組む前に知っておきたい団信の基礎知識を紹介します。
団信(団体信用生命保険)とは
団信(団体信用生命保険)とは、ローン契約者が死亡や高度障害状態でローンを払えなくなった場合に、ローン残額分を補填する仕組みです。
銀行など民間の金融機関では、ローン契約の条件として団信への加入が必須となっており、保険料はローン金利に含まれるのが一般的です。
どうして加入が必要なの?
住宅ローンは何十年にもわたって返済が続きますが、もしもローン契約者が病気などで亡くなってしまうと、残された家族はローンの支払いが困難になり、最悪の場合、家を手放すことになるかも知れません。
そのような事態を避けるために設けられたのが団信です。団信に加入していれば、ローン契約者に万一のことがあっても保険会社が残りのローンを代わりに払ってくれるため、残された家族が安心して家に住み続けることができます。
団信は「どこも同じ」ではない
団信は、各金融機関の住宅ローンにそれぞれ付帯していますが、その内容はすべて同じという訳ではありません。
基本となるカバー範囲は死亡時や高度障害状態ですが、最近では「がん・脳卒中・急性心筋梗塞」といった3大疾病の保障や、「3大疾病プラス高血圧症・糖尿用・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎」といった8大疾病の保障、「8大疾病プラス脳血管疾患・心疾患・大動脈瘤乖離・上皮新生物・皮膚がん」といった11疾病の保障がついた団信も登場しています。また、保障内容も残りのローンがゼロになるものからローンが半分になるもの、一時金が支払われるものなどさまざまです。
このような手厚い保障の団信のほとんどは金利を上乗せして加入することになりますが、通常の生命保険より保険料が割安に設定されているため、すでに加入中の死亡保険や医療保険について見直しをするよいキッカケとなります。
団信に加入できない場合もある
団信は生命保険である以上、加入前に保険会社に健康状態を告知し、審査を受けなくてはなりません。審査基準は保険会社によって異なりますが、健康状態や病歴によっては、団信の加入を断られる可能性があります。
健康上の理由で団信に加入できない場合は、一般的な団信よりも審査基準がゆるやかな「ワイド団信」に加入する方法があります。また、住宅金融支援機構による「フラット35」なら、団信に加入せずに住宅ローンを借りることもできます。
もしものときに家族と家を守る備え
団信は、ローン返済中にもしものことがあった場合に、残された家族とマイホームを守るための生命保険です。住宅ローンを選ぶときは金利の高低ばかり目が行きがちですが、団信の保障内容もきちんとチェックして、いざというときの安心に備えましょう。