土地・家探しの重要なポイントとなる「立地」。特に、アクセス便利な「駅近」に住むか、それとも静かで落ち着いた「郊外」に住むかは、入居後の暮らしの満足度に大きく関わってくるため、ライフスタイルや予算と照らし合わせて慎重に検討したいものです。
そこで今回は、駅近と郊外の立地のメリット・デメリットをご紹介。両者の暮らしをイメージしながら、理想の物件を探してみましょう。
駅近のメリット・デメリットとは?
駅近の定義は地域によって差はあるものの、不動産の広告などでは、駅から歩いて5分以内の物件を駅近と表現することが多いです。
【駅近のメリット】
・通勤・通学がスムーズ
駅までの距離が短いほど、自宅からオフィスや学校までのドア・ツー・ドアの所要時間が短くなり、通勤・通学がラクになります。暑い夏や寒い冬、雨の日なども、歩く時間は短いほうが負担も少ないでしょう。
・生活の利便性が高い
スーパーやコンビニ、病院、銀行、役所といった生活に便利な施設は駅前に集まることが多いため、これらの施設が充実している立地を選ぶと、仕事帰りやオフの日などに立ち寄りやすいです。
・夜道の危険性が少ない
駅の周囲は人通りが多く、夜間でも営業しているコンビニなど、何かあったらすぐ逃げ込める場所もあります。「だから心配ゼロ」ということは決してありませんが、仕事で夜遅く帰宅する女性や、習い事や塾帰りの子どもも防犯面で安心感を得やすいでしょう。
・資産価値を維持しやすい
便利な駅近の物件は人気が高く、資産価値が落ちにくい特徴があります。将来、物件を売却するときも、同条件の駅から離れた物件よりスムーズに買い手が見つかりやすいと考えられます。
【駅近のデメリット】
・購入価格が高い
駅近の物件の人気や資産価値の高さは、そのまま購入価格の高さに直結します。土地にお金がかかる分、同価格帯の郊外の物件と比べて、敷地が狭くなるのは避けられません。
・騒音や治安の不安がある
駅周辺は賑やかですが、人によっては、鉄道の走行音や駅前繁華街の喧騒が気になる場合があります。また、人の出入りが多いと犯罪が増えたり、繁華街で酔っ払いに絡まれたりするなど、治安面の不安を感じることがあるかもしれません。
郊外のメリット・デメリットとは?
郊外とは、都心や駅から離れた立地のことで、駅に向かう際はバスなどを利用します。鉄道ではなくマイカー利用が中心というケースもあります。
【郊外のメリット】
・購入価格が安い
駅近の立地より利便性が劣る分、土地が安く、購入価格をリーズナブルに抑えられます。同価格帯の駅近の物件よりも広い敷地を確保できるため、「庭をつくりたい」「2台分の駐車スペースが欲しい」といった希望も実現しやすいです。
・自然が身近にある
郊外の家のまわりには大きな公園や豊かな緑が多く、自然に触れる機会が増えるようになります。緑に囲まれた環境でのびのびと子育てをしたい人や、自然を身近に感じながら暮らしたい人におすすめです。
・日照や騒音の心配が少ない
街なかのように住宅が密集しておらず、日中の日当たりを確保しやすくなります。また、周囲の生活音や鉄道の走行音などに悩まされることも少ないでしょう。
・新興住宅地なら生活環境が充実
郊外には、もともとあった山や畑などを開発し、新たに住宅地として区画整備した新興住宅地も見られます。新興住宅地は道路や水道などのインフラが新しく整備されており、周辺には商業施設や公園などがあるなど、生活に便利な環境が整っていて暮らしやすいのが特徴です。
【郊外のデメリット】
・通勤・通学に時間がかかる
駅から離れているため、通勤・通学の所要時間はどうしても長くなってしまいます。バス便が充実しているエリアならそれほど気になりませんが、自宅からバス停まで距離があったり、バスの本数が少なかったりすると不便と感じることもあるでしょう。
・駅近より資産価値が下がりやすい
一般的に、物件の資産価値は駅に近いほど高くなり、駅から遠ざかるほど低くなるとされています。そのため駅から遠い郊外の物件は資産価値の維持が難しいのですが、商業施設などが近く生活の利便性が高いエリアや、昔ながらの高級住宅街などは駅から離れていても資産価値が高いことも多く、ケースバイケースです。
・迷ったら家族会議で検討を
いかがでしたでしょうか。住まいの希望条件はさまざまですので、駅近と郊外のどちらがよいか迷ってしまうことがあるかも知れません。そのような場合は、駅近と郊外のメリット・デメリットをそれぞれ比較して、どちらを選べば理想の住まいに近づくのか、家族で話し合ってみることをおすすめします。