マイホームの新築・購入は人生で何度も経験することではないため、いざその時になって初めて意味を知る用語も少なくありません。今回は、物件探しでよく見聞きする「分譲」という言葉を解説。「分譲地」「分譲住宅」「分譲マンション」といった「分譲○○」の知識を掘り下げていきます。
そもそも「分譲」とは？
分譲とは「分割譲渡」を略した言葉で、「ひとまとまりのものをいくつかに分けて譲り渡す」という意味があります。
不動産において分譲という言葉を使う場合は、「土地や建物を区分けして販売すること」を指します。
つまり「分譲地」なら、広い土地を区画整理して、住宅地として分割して売り出した土地。
この分譲地の上に建物を建てると「分譲住宅」となり、土地と建物をセットで販売する方式となります。
そして「分譲マンション」は、一棟売りのマンションではなく、一戸ごとに分けて売り出す方式のマンションです。
「分譲○○」の大まかなイメージを掴んだところで、それぞれの特徴を見ていきましょう。
「分譲地」の特徴
「分譲地」とは、開発業者が区画整理して販売する土地です。
昔からの住宅地の中にある土地ではなく、新しく造成した土地を区切って整備するため、いびつな形状の変形地がなく、きれいに整っているのが特徴です。区画数が数十～数百もある大規模な分譲地では、街全体が統一感のある印象になります。
分譲地ならではのメリットとして、電気・ガス・水道といったインフラがすべて整備されていることが挙げられます。分譲地ではない土地だとインフラが整備されていないことがあり、各種引き込み工事を行わないといけませんが、分譲地なら引き込み工事の費用や手間をかけずに、すぐに家を建てることができます。
このほか、ご近所さんもほぼ同時期に家を建てて入居するため、家族構成や子どもの年齢が近いことが多く、新しいコミュニティを築きやすいというメリットもあります。
「分譲住宅」の特徴
区画整理した土地と、そこに建てた住宅をセットで販売するものです。業者によっては「分譲戸建て」「建売住宅」と呼ばれることもありますが、いずれも分譲住宅と同一の販売方法になります。
注文住宅のように一から建物を建てる手間は不要で、また、建物に使用する建材についても業者が規格統一したものを大量に仕入れることでコストを抑えているので、価格面のメリットも得られます。
なにより、土地と建物をセットで購入できるため予算オーバーになりにくく、無理のない資金計画を立てやすくなります。
また「分譲地」のメリットでも触れたように、複数の家が集まる分譲住宅地では家族構成や年齢層が同じような世帯が多いことから、ご近所コミュニティの形成や生活の安心につながっています。
「分譲マンション」の特徴
一戸ごとに分割して販売されるマンションです。マンションの場合、「一棟買い」といって一棟をまるごと購入する方法もありますが、一般的な居住目的の購入では分譲マンションであることがほとんどです。
分譲マンションのメリットは、都心や駅近の便利な立地が多く、生活の利便性が高い物件を手に入れやすいということが挙げられます。
また、共用部の清掃や修理・メンテナンスなどの管理業務を管理会社におまかせできるため、管理の手間を減らしながら住みやすい環境を維持できるのも魅力といえます。
統一感のある環境で快適に暮らせる「分譲○○」
土地や建物を区分けして売り出すことで、きれいに統一された住環境を叶える「分譲○○」。暮らしに必要なインフラも整っているため、住みやすさと快適性を備えているのも特徴です。
物件探し中の方や、これから物件探しを始める方は、ぜひ「分譲」というキーワードをチェックしてみてくださいね。
